※訪問は2025年5月11日

スタートは蘇った幻の駅

すっかり陽も長くなった5月の日曜日の夕方。阪神西大阪線の九条駅にいた。この日はなんばに用事があり、阪神なんば線に乗って九条へ。わずか2・5キロの距離だが日曜日でなくても終日人で大にぎわいのなんば周辺とは異なり日曜16時はホームの人もまばらだ

当駅のメインは地下鉄中央線との乗り換えとなる1番出口だが、あえて2番出口へ。ここで本日同行していただくX(旧ツイッター)のフォロワーしんさん(@sin103neko)と合流。しんさんとは昨年12月にダイエー曽根店をともに訪れて以来5カ月ぶり(7月いっぱいでの閉店が決まったらしく、こちらもしんさんから連絡をいただいた)。気候もよくなって、どこかに行こうと話し合った末に選ばれたがこの地である

写真が反射してうまく撮れていなかったので、ここからは2019年に撮影したものとなるが、阪神の九条駅は幻の駅として知られていた。尼崎となんばを結ぶ阪神なんば線は今でこそ神戸と大阪ミナミを直結する利便性の高い路線となっているが、長らくは尼崎から環状線の西九条駅まで来たところで唐突に終わっている西大阪線という路線だった。環状線の高架より、さらに高い場所に駅があり、見る人が見れば「環状線をまたいでどこかに行こうとしているのだな」と一目で分かる構造だった

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いったん計画は凍結

阪神は戦後の早い時期からなんばへの乗り入れを目指していたが、大阪市や地元の反対によって計画は頓挫。九条駅については、まだインターネットなどというものができるとも思っていなかった私の高校生時期である40年以上前に「すでに駅はできていて地下に埋めてある」という話を都市伝説的に聞いたことがある

地下駅の改札口を出て階段を昇ると白い壁が見えてくる。そこにあるのは

古さを感じるタイル張りの壁と説明文

電電公社という固有名詞を目にする場所も貴重だが、今はNTTとなっているビルに出入口を造ったものの、日の目を見ることなく眠っていた。「ようやく皆様に出会えました」の文言がちょっと泣ける

京セラドームあってのなんば線

ちなみに当駅の隣駅は「ドームまえ」。言わずとも知れた京セラドーム大阪の最寄りだが、ここ九条からでも遠くはない

もし当初の計画通り、昭和40年代に開通していたら大阪ドームの最寄り駅としてはもちろん存在していないし、地下をもぐる現在のコースになっていたかどうかも微妙だ。阪神なんば線の着工は2003年。皮肉にも当時大阪ドームを本拠としていたプロ野球近鉄バファローズの消滅直後だったが、それ以前からドームの利用者が増えないことに危機感を覚えていた大阪市が長らくの許可凍結を解禁したともされる

ドームとは逆方向へ

さて今回はドームとは逆方向へと歩いていく。目指すは西九条駅。九条駅と西九条駅の間にある「安治川隧道」を渡ろうというのが今回の本来のテーマである

九条にはキララ九条という大きな商店街があり、安治川を目指して歩くと商店街の端と合流する

こちらは商店街のアーケード。そしてさらに先に進むと安治川へと到達するが、突き当たりに建物が見えてきた

何やら古い建物。遠目からは倉庫のようにも見えてしまうが、こちらが安治川隧道(今後はトンネルと記する)の入口だ

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