2025年 1月 の投稿一覧

カワイイ電車は開業110年 北勢線を行く~その5 ロードサイド店の一角で「復活」

※訪問は2024年11月19日

新規開業も路線で2位の利用者

麻生田駅から桑名市内へと戻って星川駅で下車。当駅は2005年と三岐鉄道移管後に新たに設けられた単式ホームの駅だが、路線内では数少ない有人駅のひとつ。しかも2023年の利用者数は1日1019人と北勢線13駅の中では西桑名駅(3461人)に次ぐ第2位。事実上、西桑名駅は桑名駅と一体化しているので、ある意味1位と言ってもいいぐらいだが、数字の理由については現地を訪れると一目瞭然となる

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車窓からの景色

阿下喜方面から西桑名を目指すと星川駅の手前で車窓にMEGAドンキが見える。これだけだと、ありきたりな光景で「ドンキぐらいあるだろう」と思ってしまうが、駅から出ると、ちょっと驚く

左にあるのが駅舎で正面にあるのが三洋堂書店で右がMEGAドンキ。つまりこの2店舗と敷地を共有し、ロードサイド店の一角に駅がある格好となっている

周辺の店舗はこれだけではない。駐車場を出るとすぐ国道421号で、東名阪自動車道の桑名インターも至近であるためファミレス、回転寿司などのチェーン飲食店のほか、病院やチェーンホテルなど多くの施設が集まる。北勢線沿線では駅近辺が最もにぎやかな場所となっている。

別の駅を移転開業

当駅は三岐鉄道移管後に、500メートルほど離れた場所にあった「坂井橋」という駅を移転して新規開業した形をとっている

旧駅は、まさに坂井橋の近くにあった。員弁川を渡る貴重な橋の近くでマイカーなど存在しない大正期の開業時は貴重な場所にあったといえるが、駅前にスペースがない。北勢線は三岐鉄道移管後にパーク&ライドに重点を置く駅を目指しているので現在の場所が選ばれたのだろう。坂井橋駅は星川駅開業と同時に廃駅となっている

駅舎を正面から見ると

デザインはまさに「星と川」だが、駅の住所ともなっている星川は古い地名である。桑名市のHPによると、大和(奈良県)の星川から移住してきた人びとによって開発されたと考えられていて、平安時代の文献には「星川市庭(いちば)」という物資交換の市場が記録されていて、員弁川に港もあったという

そのように古い地名なので、実は過去にも「星川駅」が存在した。しかも2回も。初代は北勢鉄道の開業(1914年)と同時に設置され、現在の駅より西の嘉例川を渡った先にあったが、ホームを設置するスペースがないということで間もなく廃止。昭和になって嘉例川の砂利を運搬する目的で嘉例川西岸付近に2代目の星川駅ができたが、戦時中の電力節約のあおりを受けて休止駅となり、戦後20年以上を経て正式に廃駅となった。名称だけなら現在の駅は復活した3代目となるが、正式には坂井橋駅の移転という形になっている。駅間の近い北勢線ならではの話でもある

暑さも寒さも凌げるエアコン完備の待合室も備え、早朝や夜間以外の駅員さんがいる時間帯では定期券も買える。利用者数第2位にふさわしい施設を備えている

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カワイイ電車は開業110年 北勢線を行く~その4 こちらの難読駅は山中にひっそり

※訪問は2024年11月20日

30分に1本の運行

東員駅から終点である阿下喜行きの電車に乗る

こちらは列車交換の西桑名行き。訪問時は11月の後半だったが、すでにクリスマスムード

朝夕のラッシュ時は本数も増える北勢線は昼間は、きっちり30分に1本のパターンダイヤとなっている。内訳は途中の楚原止まりと終点の阿下喜行きが半々。つまり楚原以遠は1時間に1本となるが、駅の配置だけを見ると楚原は阿下喜の2つ手前。たった2駅区間なので、すべて最後まで行けばいいのに…と思うのが人情である。ということで車窓や乗車状況などもできるだけしっかり確認しながら電車に乗り込んだ

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朝のラッシュが終わると

9時を過ぎると朝の通勤通学ラッシュは終わり

突如として乗車車両は貸切状態に。人がいないと写真は撮りやすいが、誰もいないとナローゲージの車内の狭さが分かりにくくなる

列車は麻生田駅に到着した。1時間に1本となってしまう2区間の途中駅。格好いいデザインは

Jリーグ入りを目指すJFLのヴィアティン三重である。東員駅の記事で東員町役場の最寄りと書いたが、町役場近くには町の中心機能が集まっていてクラブがホームスタジアムとするLA・PITA東員スタジアムもその一帯にある

三岐鉄道移管後に駅舎設置

ということで麻生田駅だが

これは読めない

駅前にあった名所案内にも「麻績塚古墳」があり、いなべ市観光協会のHPによると、麻生田の地は古来から伊勢の神領であり、麻の栽培や紡織が盛ん。「和名抄」にもその名をとどめているという。古墳があり、埋葬された人物の名をとって一般に「麻績塚」と呼ばれ、墓の主は伝承によれば神麻績連。天物知命の后、また、桑名玖賀の姫ともいわれていると記され「その名のとおり、麻の栽培・紡織といった生産に深い関係を持っていたことがうかがえる」と綴られている。全国には「麻」の付く町は数多くあるが、当地でも麻の栽培が行われていたのだろう

駅の開業は1916年(大正5)。楚原から阿下喜までが延伸された際に設置された100年以上の歴史を持つ。開業時は山郷村に所在し、戦後に北勢町そして現在はいなべ市

楚原を出ると車窓は急に山深くなり、それまでの桑名市からの都市圏というムードが一変して当駅に着く。ここから阿下喜までも山中を行く。当駅の両側には近鉄時代はそれぞれ駅があったが、ともに廃駅となっていて、そんな事情も山深さを感じさせる要因となっているのかもしれない

駅舎はあるが、これは三岐鉄道移管後に建てられたもの。駅の全景は

このような感じで、かつてはホームと待合所だけだったことが想像できる。ただ写真では自由に入れるように見えるホームだが

おそらくかつての出入口だった箇所は塞がれていて駅舎に備えられた自動改札機を通らないと入れなくなっている。北勢線はその部分がしっかり守られていて、多くの無人駅も遠隔操作できる自動改札機が必ずあり、後で出てくるが、全13駅のうち自由にホームに出入りできる駅はひとつしかない

周辺はポツポツと民家が存在するだけだが、当駅もパーク&ライドができるようになっていて舗装されていない部分もあるが、駐車場は備わっている。なお北勢線の中では利用者数が最も少ない駅となっていたが、2023年のデータでは13駅中11位の260人となっている

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2025あけましておめでとうございます

2度目の年越し

あけましておめでとうございます

2022年9月に当ブログを始めて以来、無事に2度目の年越しをすることができました

これも皆さまに読んでいただているからこそのものだと思います。ありがとうございます

こちらは今年の3月に由利高原鉄道に乗車した時のものです

なかなか大阪や神戸で由利高原鉄道に乗ったことがある人を探すのは難しいと思いますが、一面の雪景色の車窓はなかなか雄大なものがありました

こちらはわたらせ渓谷鉄道

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私鉄には純然たる会社として独立しているものと第三セクターの2種類があり、三セクにも元々は国鉄やJRだったものが移管したもの、新線を設けるために新たに立ち上げられたものがあります

上に挙げた2社は国鉄としてスタートしたもの

こちら旧東北本線だった青い森鉄道の乙供駅。国鉄を引き継いだ三セクは旧来の駅舎がそのまま残されていることが多い

一方、こちらは有名な伊予鉄のダイヤモンドクロス。最初から独立した会社です

今年の目標は

各地の私鉄や三セクについては、折に触れて紹介してきましたが、青春18きっぷのルール変更もあって、今年は私鉄、三セクにも力を入れたいと思っています

実は各駅訪問についてはJRよりも私鉄、三セクの方がはるかにハードルが高い。とにかく現地まで行かなければならないし、うまくきっぷを買わないと金銭的負担が大きい

阪急のように大手私鉄なら話は別ですが運行本数もかなり厳しかったりします。ただ大手私鉄も運行区間が長い会社は全駅というと、かなり気の遠くなる作業となります。そもそもフリーきっぷの設定がない会社もあります

現時点で私が1分たりとも乗車したことのない私鉄は青森県の弘南鉄道と山形県のフラワー長井線、熊本県の南阿蘇鉄道です。都市圏に目を向けると湘南モノレールも乗ったことがありません。虫食いのように未乗車区間が残っている会社も多数あります

11、12月と三岐鉄道の北勢線と三岐線に乗って、前者はナローゲージという特別なシステムもありますが、とてもおもしろかった

思えばブログを開始した時、最初に紹介したのは松浦鉄道でした。ベタなことを言ってしまうとJRの記事の方が閲覧数がはるかに多いのは事実ですが、地方鉄道のおもしろさや良さも伝えていきたい。今年のテーマのひとつに「積極的に私鉄の紹介を行う」を挙げたいと思います

本年もよろしくお願いいたします

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