成田空港線

1日2000円の元を簡単にとれる北総鉄道~その6 まとめ「瞬時に運賃も回収でき楽しい半日でした」

※訪問は2025年1月15日

千葉駅まで移動してきた

新鎌ケ谷で再び新京成に乗り換え千葉まで移動。初めて千葉駅北口で降りてみた(写真は翌朝のもの)。千葉駅といえば多くの人が足早に移動するイメージがあったが、あまりにも静かな場所でちょっと驚く。最近、チェーン店ホテルはこのような場所に建てられることが多い

こちらは印旛日本医大駅の運賃表。千葉駅まで成田湯川駅から頻発しているバスで成田駅まで行っての道程もチラリ頭をよぎったが、サンキュー♥ちばフリーパスを使えば「タダ」なのだから、ここは一度新鎌ケ谷まで出て新京成線経由で千葉へと向かうことにした

スポンサーリンク

高額運賃の都市伝説

今回、北総鉄道と成田空港スカイアクセス線で下車した駅は千葉ニュータウン中央以東の4駅。新鎌ヶ谷を起点なしているので、2日間乗り放題で3970円というサンキューパスの1日のノルマである2000円をこの区間だけで軽く回収できたことになる

北総鉄道の高額運賃を巡る逸話は関西に住む私でも度々耳にしていた。定期代が10万円もするため「財布は落としても定期は落とすな」。子どもの通学定期代が家計に負担となるため「電車通学でなく市自転車通学」「子どもが高校進学のタイミングで転居」などなど。都市伝説なのか実話なのかは分からないが、あまりの高額に民事裁判が起きたり、沿線自治体の首長が運賃値下げの依頼を公言したのは事実である

都内で勤務する私と同じ年の友人がいた。結婚と同時に千葉に居を構え、子どもができたタイミングで賃貸から持ち家への移行を考えた。30年ほど前の話だ。都心まで1本、一軒家の価格としては手頃ということで北総鉄道沿線へ転居することを考えたが、自分は会社からの定期があるからいいものの、家族がちょっと移動するだけで何かとお金がかかるし、それこそ子どもが都内の学校へ進学したら大変だと断念。千葉市郊外のマンションとした。その際、千葉に長らく住む親族の言葉がダメ押しになったという。「あの鉄道そのものが、いつまであるか分からんぞ」

運賃が高いどうこうより、当時はそのように見ていた人も地元にはいたというエピソードである

現実に当時の千葉ニュータウンの状況を見ると、当初は34万人を見込んでいた人口が増えず、半分に下方修正したものの、それでも伸び悩み、現在もそこまで至っていない。北総鉄道の業績が上がらない要因のひとつとなっていた。また建設に伴う土地取得がバブル期と重なってしまったため、建設費がかさみ2000年には累積赤字が400億円超まで膨らんだ。また小室以東の千葉ニュータウン鉄道が第三種鉄道事業者になっている部分で、北総鉄道が千葉ニュータウン鉄道に支払う線路使用料が年間25億円にもなることも高額運賃の理由とされた。成田空港スカイアクセス線の開業後、京成電鉄が千葉ニュータウン鉄道に支払う使用料が4億円にも満たなかったことで批判も受けた。25億円という金額の設定については、当初は利用客の少なかった路線の運賃収入をすべて使用料とする、いわば弱者救済のシステムだったが、利用が増えるとともに高額になったものだ

経営の改善から住みやすい町へ

経営難問題はスカイアクセス線の開通から上向き始めた

現地でよく分かったのはアクセス特急の乗客の多さだ。平日の昼間にもかかわらず、スーツケースを持った多くの人が、スカイライナーではなく追加料金無料のアクセス特急を利用している。京成電鉄からの線路使用料が北総鉄道にも入るようになり、千葉ニュータウンの人口も少しずつ増えて累積赤字は2022年に解消。また千葉ニュータウン鉄道へと支払う使用料も一定金額へと変更された。鉄道会社の多くが値上げに踏み切る現状で2022年に値下げを行ったことは特筆すべきこと。特に通学定期に関しては60%を超える値下げで(元の値段が一体いくらだったのかとツッコミが入るレベルだ)、全国区のニュースとしても大きく取り上げられた

それでも首都圏で多くの人を運ぶ鉄道会社のものとしては、運賃はまだまだ高く、さらなる値下げを求める声は多い。私なんぞはフリーパスなしでは、二の足を踏んでしまう料金である。ただ運賃値下げもあり、印西市は各種の「住みやすさランキング」で千葉県内の上位を占める都市となっている

JRの津田沼駅で降り、新京成電鉄の新津田沼駅から新京成、北総鉄道、成田空港スカイアクセス線と巡った旅、なかなか充実した1日だった。実は翌日も京成に乗車したが、それについてはまた別の機会に

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります

スポンサーリンク

1日2000円の元を簡単にとれる北総鉄道~その5(番外編) 気になっていた「成田」駅へ

※訪問は2025年1月15日

印旛日本医大から1駅

印旛日本医大駅から成田空港方面へと1駅。成田湯川駅で降り立った。印旛日本医大から成田空港方面はすでに北総鉄道ではない。京成電鉄の成田空港線(成田空港スカイアクセス線)のみの駅となっている。その意味では北総鉄道のシリーズに組み込むのは正確には間違っているが、改札の外に出ることなく訪問でき、しかもサンキュー♥ちばフリーパスでともに訪問したということで番外編として紹介させていただく

スポンサーリンク

気になる駅も運賃に尻込み

印旛日本医大駅や印西牧の原駅は駅の発車案内や方向幕で繰り返し見せられるため、気になる駅だった。当駅は別の意味で気になる駅だった。こちらは千葉ニュータウン中央駅の路線図を拡大したものだが

印旛日本医大から先のスカイアクセス線にある「空港第2ビル」「成田空港」はどのような駅か想像がつく。しかし、その手前にある「成田湯川」はどんなところなのか。以前から気にはなっていたのだが問題がある。経費の問題だ

当駅からの最低運賃が成田湯川までの470円。空港や京成本線方面からはさらに高い。日暮里と京成上野からの料金は1210円もする。長らく悩んでいたところ、サンキュー♥ちばフリーパスに京成が参加の報せ。これまで北総鉄道は参加していたが京成は参加していなかったため、これは朗報だ。次のサンキューパスから京成が離脱しては困る。ここは新京成、北総鉄道とともに一気呵成の訪問となった

利用者数69駅中67位の立派な駅舎

念願かなった成田湯川駅の駅舎は大変立派なものだった。開業は2010年(平成22)で、京成電鉄の駅では最も若い

改札口は広くとられている

コンコースも広く、改札から2つのエスカレーターを乗り継いで(エレベーターもあり)3階にあるホームへと向かう。写真の左手を見れば分かるがステンドグラスも使用されている。成田高速鉄道アクセスという会社が第三種事業者として施設を保有する

という豪華な施設を持つ駅だが、2023年の1日あたりの乗降客数は1495人で、これは京成電鉄全69駅のうち67位の数字。注意点としては69駅の中には北総鉄道と共同で使用する印旛日本医大や千葉ニュータウン中央などの駅のアクセス特急、スカイライナーの利用者数もランクインしていること。68位は印旛日本医大の1388人だが、実際の駅の利用者数はもっと多いので、駅そのものの利用者は実質下から2番目となる(最下位は大佐倉駅の311人)

運行の重要駅

当駅の特徴のひとつとして

停車するのは特急だけという事実がある。いずれも追加料金の要らないアクセス特急。そのため本数は少ないものの、印旛日本医大方面の列車に乗れば、必ず乗り換えなしで都心まで連れていってくれる。空港方面は説明不要

時系列は逆になるが、ホームに上がると対向式の2面ホームの間にホームのない通過線がある。まるで新幹線駅のようだが、通過線を走るのはスカイライナー。160キロという高速走行を可能にするための措置。そのまま本線を行けるように分岐器は日本最大級のものとなっている

スカイアクセス線は当駅から成田空港方面が単線となっているため、アクセス特急の待避は当駅でしか行えない。またいざという時のために印旛日本医大方面からの列車は当駅で折り返しが可能となっていて運行上は重要な役割を果たす駅となっているのだ

駅の隣にはJRの線路が

駅を降りると路線バスの姿。主にJRの成田駅と結ぶものだが1時間に2本から4本と数は多い

駅までは4キロもなく、バスはニュータウンの中を通るためグルリと回るが、車で真っ直ぐ行けば10分もかからない距離で近い

近いといえば、ホームの下をJR成田線の我孫子支線が走る。たまたま駅前にいると電車がやって来たので分かったが、予備知識なしで訪問してぼんやりしていると気付かないかもしれない。とはいえ、ここにJRの駅はない。最も近い駅は下総松崎で線路だけなら2キロを切る

ちなみに「松崎」は「まんざき」と読む難読として知られる駅だが、住居表示としては下総松崎駅が成田市大竹、成田湯川駅は成田市松崎である

スカイアクセス線で唯一の単独駅として興味深かった成田湯川駅。このようなブログを連日書いていると1日の利用者が一ケタとか限りなくゼロという駅も決して珍しくないというか、感覚がマヒしているところがあるが、周辺は静かながら千人以上の利用がある駅だということをあらためて強調しておこう。とにかく訪問して良かった

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

↑2つクリックしていただけると励みになります

スポンサーリンク