北海道&東日本パス

宿もとらずに鈍行に揺られ飽きたらその日は終わりの北海道&東日本パス旅~その3

大甕駅の駅名標

※2024年7月2日

ラクラク自動改札機を有効に

勝田駅でかわいい特急オブジェを眺めながら、駅訪問を開始する

今回の旅ではローカル無人駅はあまり出て来ない。なぜかというと北海道&東日本パスの特徴のひとつである「自動改札機の通り抜け」を有効に利用したかったから。毎年秋に出る鉄道の日記念の3日間乗り放題パスにも共通していることだが、自動改札機をホイホイ通り抜けできるのは青春18きっぷにはないストレスからの開放がある。もっとも地方の非電化ローカル線に行ってしまえば同じなのだが、都心部や幹線では自動改札機の通り抜けはポイントが大きい。今年は外国人旅行者も多いだろうから、駅員さんのいる改札の渋滞も予想される。一瞬見せるだけのために改札が空くのを待つのは、なかなかの苦痛。ということで今回は

①自動改札機を抜けられる特性を生かした幹線旅

②ふだんは途中下車ができない三セクもじっくり乗車

の2本の柱で北上することにした。東北本線ではなく常磐線としたのは、常磐線内には特急でしか通過したことのない区間がいくつかあるからだ

またいつものように降り立った駅をひとつひとつ紹介していくと、9月になってもこのシリーズが終わらない可能性もあるので、一部の訪問駅についてはX(旧ツイッター)での紹介ということにしたい

漢字そのものが分からない難読駅

まずは村でありながら特急が停車する数少ない駅のひとつ東海駅で下車

ただし今回紹介するのは駅名標に何やら難しい漢字が見える、お隣の大甕駅である。読みはローマ字で分かるが「おおみか」

いわゆる難読駅には漢字そのものが難しくて読めないものと漢字は簡単だが思いもよらない読みをするものの2つのパターンがあるが、こちらは前者である

現在の駅舎は2018年からのもの。開業は1897年(明治30)と古く120歳を超え、130歳になろうとしている

大甕とは地名だが、当駅を最寄りとする大甕神社から来ている。漢字の「甕」は水を入れる「かめ」のこと。かめは今でも普通に使用される言葉だが、漢字の方はなかなか使われなくなっている。今はワープロ機能というものがあるが、すべて手書きだった時代は大変だっただろう。あまりにも難しいからか、1972年にできた住居表示は「大みか町」とひらがなが使用されている

駅前の案内図も「大みか」の表記で駅名もひらがな表記。ただし固有名詞である神社はもちろん漢字表記だ

かつては私鉄との乗り継ぎ駅

駅からはバスターミナルが見える。遮断機のようなものが見えるが、これは「ひたちBRT」

かつて水郡線支線の常陸太田駅と大甕駅は日立電鉄で結ばれていた(日立電鉄の駅名は常北太田)。日立電鉄とは日立製作所の傘下にあった鉄道会社で、常陸太田からは山中を進み、常磐線とクロスした後に北上。海沿いには日立の関連会社、工場が存在した。こうして見ると東西南北のかゆい所に手が届くように路線があり、ローカル私鉄とはいえ、さすがに電化されていた。常磐線との接続駅が大甕だった

ただし同線は2005年に廃線。常磐線に沿う形の南北の道路の渋滞が激しいため、日立電鉄の路盤を利用してバス専用レーンとなったのがひたちBRT。ただし停留所名は「大みか駅西口」とひらがな表記となっている

駅前には茨城キリスト教学園中学校・高等学校そして大学があることもあって駅の利用者は東海駅を上回っている。学校そしてBRT乗り場が駅の西側にあり、かつては東側に存在した駅舎から西側への移動が課題でもあったが、改札口を地下に設けたことで自由通路を通っての東西の往来も容易になった

ちなみに同校に通っていた後輩に漢字で「大甕」と書けるのか尋ねたところ「さすがに書けます」との返信だった

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宿もとらずに鈍行に揺られ飽きたらその日は終わりの北海道&東日本パス旅~その2

勝田駅の駅名標

※2024年7月2日

今回の旅の「ルール」

品川駅の常磐線ホームに到着したのは6時25分。当然だが右側ホームの電車に用事は全くない

今回の旅は常磐線を北上、仙台から東北本線を北へ向かう予定となっている。「予定」と記したが、実は予定なんてものはほとんどなく

①きっぷで乗車できる列車で青森を目指す

②降りたいと思った駅で降りる

③飽きたら何時であろうと、その時点でその日は終了。つまりホテルはその日暮らし

と、一応ルールは決めたが、どこかの県で気になる駅が続けば、青森まで到達しないことも十分ある。気になる駅といえば格好いいが、どちらかというと暑さでやる気がなくなり、早々にその日の活動を終了することが多くなるだろう、ということだ

さすがの首都圏電車はグリーンの誘惑を振り切る

乗車したのは6時35分の品川始発電車。ホームに降りた時は出発までまだ10分近くあったので、座席には余裕がある。私は「2人分だけのロングシート席」が好きだ。多少窮屈だが、爆睡態勢の時は身体ごと預けてられるから

当初は高輪ゲートウェイから新橋まで行って乗車するつもりが、時間があったので品川まで戻る形で始発乗車(フリーきっぷなのでどのように動こうが問題ない)としたのだが、結果的にはそれが大正解。品川を出発時はまだ空きがあったが、新橋から早くも立ち客が出るようになり、東京からは普通に混雑の電車となった。新橋ではホームの並び方次第では座れない可能性も高かったわけでホッとした。それにしてもまだ7時にもなっていない下り電車、それも15両編成(JR西日本の通勤電車は最長でも12両)の座席があっという間に埋まってしまうのだから、さすが首都圏の電車である

この後、7時台に千葉県に突入するわけだが、沿線には一体いくつの高校があるのか、と思ってしまうほどで、下り電車の車内はすっかり高校生専用列車と化した。最後にドッと高校生が降りたのが牛久で時刻は7時45分

何となくの予定では、今回の旅では乗車電が最も長く乗り続ける列車になるはずで、普通車グリーンに乗るのもおそらく最後の機会。実は品川駅でかなり心が揺れたが、グリーン料金の値上げでSuical利用でも1550円もするの何となくの予定では、今回の旅では乗車電が最も長く乗り続ける列車になるはずで、普通車グリーンに乗るのもおそらく最後の機会。実は品川駅でかなり心が揺れたが、グリーン料金の値上げでSuical利用でも1550円もするのでヤメ。というか時間帯的にも下りということもあって、そんなには混まないだろうという私の考えが甘かったのだ

ということで乗車電の終点、勝田に到着。2時間15分の普通車は同じ列車に1時間乗ると飽きてしまう私には、なかなかしんどい時間だった

勝田は水戸のひとつ北側の駅。車両センターがあり、多くの列車が始終着となるため知名度が高い。全列車が停車する。ひたちなか海浜鉄道の接続駅としても有名。かわいい単行列車が停車中だった

10年以上前、ひたちなか海浜鉄道への乗車とあんこう鍋を求めて降りたって以来の訪問となった。ただし今回のきっぷでは乗れないので先へと向かう。ここからはいくつかの駅で降りつつ北上しよう。まだ時間は朝の9時である

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宿もとらずに鈍行に揺られ飽きたらその日は終わりの北海道&東日本パス旅~その1

高輪ゲートウェイ駅の入口

※2024年7月2日

スタートは高輪ゲートウェイ駅

7月2日、朝6時前の泉岳寺交差点。ホテルを出て高輪ゲートウェイ駅へと向かう。ここが旅の出発点ともいえる

話は前日にさかのぼる

かなり激しい雨の大阪空港から8時半の飛行機に乗って羽田へと向かい

10時すぎに京急の羽田空港駅へ。随分と人が少なく感じるが、何らかのトラブルで遅延が発生していたためだ。もっとも今日に関しては少々の遅延は気にならない。というか本日は都内宿泊なので何とでもなるだろう

泉岳寺のホテルに荷物を預け高輪ゲートウェイ駅の券売機へ

目的のものを発見

そしてゲット。きっぷの有効期限は7日だが、6日に帰る。そして今日は都内で飲み会があるので正式な出発は明日となる。だったら、もっとゆっくり東京へ行けばいいと思われるかもしれないが、飛行機のチケットは5月のタイムセールで確保したので、その時点では東京からすぐ鈍行旅を開始する可能性があったため朝の飛行機にしたのだ。飲み会が決まったのは6月に入ってからのこと。さすがに都内だけはできるだけ早めに宿をとらないと「空きがない」「高い」の二重苦に陥ってしまうので、その時点でホテルを予約した。高輪ゲートウェイ駅から旅の出発とは、いかにも企画したようになってしまったが、飲み会の会場やホテル価格から泉岳寺になったということ

長年憧れの北海道&東日本パスとは

北海道&東日本パスは7日間にわたってJR東日本とJR東日本の普通列車が乗り放題となるフリーきっぷ。利用期間は7月1日から9月30日までで(販売は9月24日まで)、きっぷのルールは青春18きっぷとほぼ同じだが、大きく異なる点として

①利用期間は連続7日間

②きっぷは1人1枚でグループ乗車はできない

③青い森鉄道、いわて銀河鉄道、北越急行も利用できる

がある。特に大きいのは①で使用開始日を指定して購入し、旅を始めた時点で払い戻しはできないのだ。その分、長期間で5回利用の青春18きっぷの1万2050円と比べて7日1万1330円と安くなっているが、ある意味時間に余裕がないと、なかなか利用できない(乗り方によっては3日ぐらいで十分元はとれるが)きっぷなのだ。要は時間のある学生さんか、私のようなリタイア組向けのきっぶだといえる

また③の旧東北本線の三セク利用できるのも大きい。同じ鈍行旅で北上すると盛岡から北はJRの通しきっぷは利用できず、私の「本業」である降り鉄をするための途中下車をするには、それぞれの会社のフリーきっぷ購入をする必要があって経費的にかなり高くつく。現在、青春18きっぷで東京から青森まで行こうとすると日本海回りのダイヤが薄く、なかおつ距離の長い区間を行く必要があり、かなり不便だが、北海道&東日本パスなら最短ルートで到達できる。そして何より、私にとって大切ないろいろな駅での降り放題が可能になる

それなりの準備をしてから出発

会社員時代から、これを使って旅をしてみたいものだとずっと思い続けていて2年前の夏に早速利用してみたが、私の準備不足もあって常磐線~水郡線で郡山まで行った時点で引き返し、後は伊東線などに乗ることになってしまった

その分、今回は起点と終点だけは最初から決めることにした。まず最後は当然ながら神戸の自宅に帰らなければならないので、スタートは東京としても帰りにもう1度東京まで戻ってしまうと、東京(ギリギリまで踏ん張ると熱海まで乗れるが)からの交通機関代金が発生する上、仮に東北のどこかまで行くとして再び東京まで戻ってくるのが肉体的にも精神的にも大変な負担になる。別な言い方をすると、正直かったるく新幹線別料金が登場する可能性も高い。そこでタイムセールで花巻~大阪の飛行機をあらかじめ確保し、最終日は飛行機で東北から直接帰ることにした。自分がぼんやりと描いていたイメージでは青森空港あたりから帰るのが便利そうだったが、東北の飛行場で自分が利用したことのない空港が大館能代、山形、花巻の3空港だったので、確実にルート上にありそうな花巻とした

到着当日は

川崎新町

以前はなかった小田栄

久しぶりの浜川崎など、南武線支線の駅などを訪問、歩きつつ(当支線は駅間距離が短く歩いた方が早い場所もある)、せっかくのフリーきっぷを少しでも有効に利用しながら適度に汗をかいて夜の飲み会に備え、夜も翌日に響かない程度に、こちらも適度の飲酒としホテルにも22時にも戻った

まずは品川駅から常磐線に乗り込むことにする

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ありがとうございました

2022年も終わろうとしています

今年は人生において大きな変化があった年になりました。言ってみれば36年ぶりの変化です

社会人になったのは、まだ昭和の1986年。世間的に分かりやすいのは阪神タイガース唯一の日本一の翌年。鉄道の視点からすると、国鉄最後の年。今にして思うと社会人1年目の出張は国鉄に乗って出かけていたのですよね。明確に覚えていますが、人生初の出張は高松。宇野ダッシュの最初で最後の経験でした。そもそも高松までの往路は飛行機でしたから。伊丹~高松の空路がまだあった時代。乗ったのはYS11と、これまた今にして思えば貴重です

そこから36年の時を経て会社員生活を7月いっぱいで無事卒業。こちらのブログを開始したのは9月でこの記事が91本目となります

最も印象に残っているものは

全部の振り返りをしているとキリがないのですが、副次的な要素も含めると最も印象に残っているのは遠方への旅ではなく

能勢電鉄です。騒ぎにならないうちに能勢電鉄の「山下発山下行き」「旧阪急2000系の1700系」とのお別れをしておこうと出かけたところ、当日の運行当該編成が、その1700系だったという一石二鳥というか王手飛車取りというか、まさに僥倖、超ラッキー

能勢電鉄のホームページでは、惜別のヘッドマークを付けた1700系の運行について、日付ごとに、どこの運用に入るのかを発表していたのですが、私は知らなかった

当日、山下駅の朝は随分と撮り鉄さんがいて、まだ惜別まで1カ月もあるのに、おかしいなぁ、と首をひねったものですが、まる1日こちらの運用に入るのであれば、そりゃあ来ます

その意味で自分の体験はもちろん、動画としても貴重なものになりました

実は能勢電鉄には11月30日にも訪れていまして、まだ記事にしていませんが、平日の朝7時半というラッシュ時に川尻駅のホームに行くと

いきなりいらっしゃいまして驚きました。この日も運用についての調べはしていません

当日は能勢電鉄の全駅下車(ラッシュ時ということもあり、すぐ終わりました)が主眼だったので、1駅でお別れとなりましたが、印象深いです

意外と難しい、あてのない旅

そして時間ができたら、ぜひやってみたかった念願の旅というのはこちら

1週間自由に乗れるパスで、あてのない旅をすること。こちらのポイントは自動改札機を通れることと、もうひとつ大きいのは青春18きっぷより微妙に早く運用が始まること。混雑を避けられます

行くところまで行って飽きたらホテルをとる、とい66日間(きっぷは7日使用できますが私に与えられた時間は6日間でした)。こんなの時間がないとできませんから、憧れていたのですが意外と難しい、というか洗濯が面倒だ(笑)。結局、5泊のうち2泊は都内の部屋に洗濯機があることで有名なホテルチェーンを利用することに

また旅に出ると必要以上に呑んでしまうので疲労がたまります。道中の1泊を郡山にしたのですが、何やら体内の危険信号が働き、当日はサイゼリヤでパスタ+サラダ+ドリンクバーのみの夕食で終わるという、初の旅先ノンアルコールを経験。福島の地酒をとても楽しみにしていたのですが、こちらは年齢の影響もあるのかもしれません

そして当日に確保しようとすると宿もなんだかんだで大きな都市になるのですよ。それは高山本線の時にも学びました。ただこちらについては来年また再チャレンジしたいと思います。そもそも東京を起点にすると、必ず飲み会が入ってしまうので、来年はもっと北の方をスタート地点にしたいと思います

と、とりとめのない話をダラダラと書いてしまいましたが2023年もよろしくお願いします

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