阪和線、日根野以南は魅力いっぱい~阪和電鉄もうひとつの目玉

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山中渓駅に入線する列車

2022年12月7日14時10分

府県境駅の新旧

山中渓に到着しました。阪和線を南下すると大阪府最後の駅。鉄道ファンの中では有名ですが「やまなかだに」と読みます。最後の1文字が難関ですね

ご覧になって分かるように工事が行われていました

駅舎はというと

ピカピカの新駅舎です。昨年4月にできたばかり

旧駅舎です。訪問は2021年3月。同年7月に解体が始まったので滑り込みでした。1930年の阪和電気鉄道全通時からのものでした

かなり早い時代から無人化されていました。JRも入っていない駅名板も雰囲気に一役買っています

こういう歴史ある駅舎が消えるのは残念なことですが、バス停のような簡易駅舎ではなく立派になるのはいいことでもあります。特にトイレがきれいになりました

ハイカーの利用も多い当駅なのでお手洗いが充実したのは意味のあることだと思います

新線の目玉商品

案内板は2021年の訪問時に撮影したもの。旧熊野街道に沿って駅が設置されていますが、ここから和歌山方面の県境は険しい峠が待ち受け、関所と本陣が設けられていました

険しい峠は江戸時代までの旅もそうですが、鉄道にとっても難所です。この先の車窓はひたすら山中ばかりで駅を設けることもありません。当駅と和歌山の最初の駅である紀伊までは8キロもあり、阪和線の最長区間

しかし、この険しい峠の前の閑散とした村の不便さに阪和電鉄は逆に目をつけます。和泉砂川駅の項では大遊園地を造ったことに触れましたが、ここを温泉地としたのです

駅から歩いてすぐのところで山中渓温泉として開発を開始。その戦略は大当たり。戦後になり、レジャーが戻ってくると、もう国鉄になっていましたが、数軒の温泉宿で大変にぎわいました

しかし旧熊野街道が整備・拡張され、国鉄の電化で白浜温泉まで手軽に行けるようになるとレジャー客は白浜そして勝浦を目指し、当地は通過が目立つようになって、温泉旅館も衰退していきました。地図で分かるように今は目の前に阪和自動車道の橋脚。車がビュンビュン通過していきます

現在、山中渓温泉はすべての旅館が営業を終えていて一時は廃墟探索のメッカになってしまったほど

当駅は阪和線だけでなく、大阪府のJR駅で利用者最小の駅となっています(それでも300人ほどの乗降が1日にあります)

新駅舎は当初から無人を前提としたもので券売機と簡易IC改札のみ

こちらは前回訪問時の様子。かつては貨物輸送もあったようで、側線跡の雑草はしっかり刈り取られていました

こちらは今回の訪問時。前回も見えていたホーム跡と基礎部分が分かるようになっていましたが、工事中で現在の姿は不明

駅前の静かな様子は同じでした

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