くりこま高原駅

新幹線単独駅巡り再び~きっぷのルールがややこしい

古川駅のエスカレーターにある乗り換え案内

2023年3月2日12時10分

※単独駅ではありませんが、新規訪問につき紹介します

伝統ある町

古川に到着しました

大崎市の中心駅。かつては古川市でしたが、2006年に周辺自治体と合併して大崎市が発足しました

古川を中心とした一帯は古くは東北地方の中心地でした

かつてこの駅を訪れたことがありますが、その時は在来線の陸羽東線で来たため、新幹線ホームに立つのは初めてです

駅舎です。東北新幹線の駅が併設されることになり、従来の駅舎から、やや離れたところに新駅舎が建てられています

新幹線と在来線の改札はそれぞれ独立していて、乗り換えには互いの改札を一度出る必要があります。足下の文字がかわいすぎますが、窓口をはさんで両サイドに改札があるので、こちらを間違うことはまずないでしょう。1日に7000人ほどの利用者がいて、もちろん管理駅

東北本線は通っていません

陸羽東線のホームにやってきました。島式1面2線で長めのホーム

当地に新幹線駅を設置する際の有力な「ライバル」は小牛田(こごた)でした。難読駅としても知られますが、東北本線、陸羽東線、石巻線の接続駅で交通の要衝。最終的には都市の規模と仙台から盛岡まで真っ直ぐ線路を伸ばした場合は古川の方が通しやすいとの判断があったようです。では東北本線は大きな都市である古川をなぜ通っていないのかという、そもそも論になりますが、小牛田駅開設の明治初期には山越えとなる古川経由が避けられたとか、地元住民による鉄道忌避説とかがあります

そのような経緯で東北本線上ではないところに東北新幹線の駅が設置され、なおかつ前記事で紹介したくりこま高原駅が新幹線単独駅であることから、きっぷ上では大変ややこしいルールが設けられています

在来線とは別に東北新幹線の駅としては運賃計算に小牛田駅を採用しています

10キロ近く離れていますが、東北本線の「対応」はこのようになります。ですから仙台近郊区間内同士でないきっぷで一ノ関より北、仙台より南の駅を発着するきっぷであれば、新幹線と東北本線のどちらを通っても大丈夫という選択乗車ができるようになっています

ここまでは他の新幹線単独駅でも、よくある話ですが、そこにくりこま高原駅が絡んでくると、話は複雑になります。新幹線単独駅である、くりこま高原駅の対応駅は新田駅です

こちらも10キロほどの距離。単独駅ですので線路はつながっていません

きっぷのルールに従うと、くりこま高原~古川の乗車券を持っていても新田~小牛田の東北本線には乗れませんが、突き詰めていくと新田~小牛田の乗車券を持っていれば、くりこま高原駅~古川の東北新幹線では有効になる、ということになるはずです。2駅続いて本線上に駅がないと、いろいろ面倒なルールが適用されることになりますね

もっとも、そのようなことを試す人がいるかどうかは別問題で、自動改札を通れるかどうかもまた別問題。私は過去に、なぜか自動改札ではねられ、駅員さんに有効なきっぷであることを告げて通してもらったことが何回かあります

さすが陸羽東線の番線表示は歴史を感じるものでした

お手洗いの案内表示も同様

今回は乗ることができませんが、陸羽東線の列車を見送って新幹線ホームに戻ります

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新幹線単独駅巡り再び~標高20メートルの「高原駅」

くりこま高原駅の縦駅名標

2023年3月2日11時15分

駅前に展望タワー

くりこま高原駅に到着しました。1982年の東北新幹線開業から8年を経て1990年に開業した地元による請願駅です

改札でのお出迎えを経ると、とても立派な駅で広くてきれいに待合室や観光案内所があります

外に出ます

JRになってからの駅なので、三角屋根を取り入れたり、駅舎にもちょっと「おしゃれ感」が出ています。理由は分かりませんが、国鉄時代の無骨な新幹線駅舎とは随分差があります

展望タワー

駅舎の写真は西口ですが東口に回ると

「エポカ21」というタワー型の建物が目に入ります。くりはら交流プラザとなっていて展望レストランやホテル、コンベンションホールや観光物産館が入居しています

時間的にもちょうどお腹が減ってきて、個人的には展望レストランに行きたいところですが駅の散策(正確には探索)などにも時間を費やしたいため、西口からすぐのところにあるイオンのフードコートで

ラーメンを。北海道のお店でした。厳寒というほどではありません(翌日以降、この言葉は撤回される)が、さすがに関西よりは冷えるのでラーメンが染みる

少し前までは「いいオッサンがフードコートなんかで飯食うのは恥ずかしい」と思っていたものですが、今や旅に出るとフードコートはコンビニと並ぶアイテムと化しています。この日はお昼時でしたが、フードコートというのはランチタイムやディナータイム関係なしに開いている上、サッと食べられるのが駅とその周辺探索に時間をかける私にとっては好都合なのです

「くりこま田園駅」?

話が少しそれました。もう一度駅に戻りますが、駅前の展望タワーが目につくぐらいですので周囲はというと

高原ではありません。どちらかというと、ではなく完全な田園地帯です

現在、駅は宮城県栗原市が所在地ですが、新幹線駅の招致活動が開始された時は町村や郡単位でした。招致運動中の仮駅名は「栗原・登米」。栗原郡と登米郡を合わせたもので新駅の鉄則である「公平に」の駅名となっていました

駅の設置が決まったのは国鉄からJRへの移管後。次は工事も始まり、正式駅名を決めるだけとなったのですが、JRが「『栗原登米』と郡名をつなげた駅名は読みにくい」と難色を示し(おそらく地名がマイナーだったと言いたかったのだと思われるが、今にして考えると失礼な話ではある)、有名な栗駒山にちなんだ現駅名に決定。当時、実際に「栗駒町」が存在していて駅名は同町だけを連想させて不公平と反対の声もありましたが、その部分はひらがなになっただけで駅名が決まりました

ちなみにくりこま高原駅の標高は20メートル。とても「高原」ではありません。駅ができた当時は「くりこま田園駅では?」の声も出たとか。実際に2007年に廃線となった現地を走る第三セクターは「くりはら田園鉄道」でした

現在、当時の自治体は栗原市と登米市になっています。特に栗原市は宮城県で最大面積の都市になっていて自治体合併が駅設置のころなら、当初の仮駅名は都市の複合型となるわけで、JRも認めたかもしれません。もっとも栗駒町も今は栗原市の一部となっているわけで、駅名変更の声は出ていません。現在は観光拠点として成立。駅近辺の再開発も予定されています

ホームに戻ります。新幹線単独駅で2つしかないホーム番線は11と12。新幹線ホームが11番から始まるのは東北新幹線の在来線との接続駅でも見られる光景

JRになってからの駅ですが、すでに30歳を超えています。こんな格好いい文字もありました

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