※訪問は2024年10月9日
稲尾駅と誕生日は同じ

北大町駅に到着。駅名標で分かる通り、信濃大町駅のひとつ北隣の駅。信濃大町駅以北は国鉄によって敷設された区間となる。そのため路線内では、国鉄建設による1つ目の駅となるが、開業は全通後の1960年(昭和35)の7月20日で先に紹介した稲尾駅と同じ誕生日。構造も同じく単式ホームと待合所のみの簡素な構造となっている
2時間電車が来ない
駅の紹介より、先に時刻表を紹介しよう

簗場から12時56分でやって来た。同方向つまり信濃大町、松本方面は16時24分で、なんと3時間半後、南小谷方面も15時12分で2時間以上後と、まぁまぁ困る運行状況となっている。ただ駅の周辺は大町市の市街地域でもあり、住宅や商店もある。時間的にはランチタイムなので、あまりアテはないが、食事をして時間を潰せそうなら、ここに居座り無理そうなら30分ほど歩いて信濃大町駅を目指すつもりだ

ということで時間はいくらでもあるので駅をじっくり見ていこう。じっくりといってもすぐに終わってしまいそうだが、基本的には2両編成の列車しかやって来ないためホーム有効長は短い

住宅街の中に戦後10年以上も経って設けられたことから駅前広場といったものはなく、この階段のみが駅の内外を結ぶ導線だ
貨物の重要拠点

駅の南側には踏切があり、ホームと逆側に街が広がる。音楽ホールでもある大町文化会館は駅に隣接した形となっているが、この場所が北大町駅にとって大きな意味を持つ
この場所は関西電力の資材置き場だった。大町そして関西電力といえば、ピンと来る方も多いだろうが、資材は黒部ダム建設用のものだった。やがてここから県道が造られる
長野県道扇沢大町線。立山黒部アルペンルートと言った方が分かりやすい。関電トンネルの扇沢駅までのバスが信濃大町駅から出ているが、県道そのものの起点はここ文化会館。現在は観光ルートだが、もともとは黒部ダム建設用の資材を運ぶ道路として建設された。貨物列車で当駅付近まで運ばれた資材はトラックで現場まで運ばれた。駅としては旅客専用の駅だったが、大プロジェクトを担う駅だったのだ
ふらり入ってカフェで
さて肝心の時間つぶしだが、町をウロウロしているとカフェを発見

ホットサンドのセットで昼食としたのだが、地元のおなじみさんばかりの店内で会話は大いに盛り上がり、あっという間に時間が過ぎ去った。12月にも加古川線に乗車した際、西脇のカフェでこちらも地元トークに花が咲いた。地方の喫茶店にはこんな楽しみがある。西脇の場合は神戸からすぐの場所なので土地柄的な部分は共通点も多いが。さすがに大町には土地勘は全くない。初めて知ることばかりだったが、ひとつ分かったのは今日のように地元の方もビックリの急に寒くなる日があるということ。それがたまたまこの日だったようだが「立派なセーター用意して来るなんて偉いじゃない」と褒められた。お漬物やフルーツのお裾分けもあって楽しいひとときを過ごせた。ごちそうさまでした
信濃大町駅近くにあるのかなぁ、とちょっと困っていたドラッグストアも付近にあって助かった。あっという間の2時間で町の散策はほとんどできなかったが満足して駅に戻る

近年のデータはないが、おそらく100人は切っているであろう1日の利用者数の駅だが立派なお手洗いが設置されている。よく見ると「電源立地地域対策交付金」の文字。その前に立ち寄った簗場駅にも

年代は異なるが同じものがあった。観光地としての黒部ダムは認識していても建設については、ついつい忘れがちになってしまう。北大町の駅に来ても面影はほとんどないが、このようなプレートを見ると、当時のことをいろいろ思い巡らせてくれるのだ


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