※訪問は2024年10月27日
愛知県最東端の駅
東栄駅に到着。家族を見送るお子さんの姿が絵になる。ここから飯田線は愛知県。ようやくという感じだが、豊橋までまだまだ先は長い。そして駅名標で分かる通り、ここは北設楽郡東栄町。小和田駅から当駅隣の出馬駅までは静岡県だが、静岡県内の飯田線はすべて浜松市天竜区に所在。つまり政令指定都市の「区」にあたるわけだが、平成の大合併が昨日のように感じる私のような世代にとっては政令指定都市=都会のイメージがこびりついていて違和感を持ってしまう
そして当駅は愛知県最東端の駅である
目が釘付けの駅舎
当駅を語る上で絶対なのが、利用者を迎えてくれるあまりにも特徴的な駅舎。当駅には特急は停車しないが、ぼんやり車窓を眺めていると「エッ!」と身を乗り出してしまう。今回、下車駅に利用したのは、もちろんそれが理由なのだけれど(笑)
東栄駅は1933年(昭和8)に三信鉄道によって開業された。当初の駅名は「三輪村」。三輪村に所在したので三輪村となったのだが、その後「三信三輪」となり、国鉄に戦時買収された際に「三河長岡」となった。長岡とは町村制施行以前にあった村名で、当時の地域名でもあった。1956年に三輪村は編入される形で東栄町の一部となり、直後に駅名も現在のものとなった
地図を見ると、すぐ近くに静岡県との境界があり、愛知県最東端だということがよく分かるが、東栄町の中心部である旧本郷町とはかなり離れている。それでも町内にただひとつの駅ということで、地元で愛される存在だということは駅舎を見れば容易に分かる
車窓からはインパクト絶大な駅だが、外からはかなり普通で、工夫が施されていることがかえって分かりやすい。無人駅だがカフェが入居している
これが財産票のようなものだが、1992年(平成3)に地元の木材を使用して建てられたそうだ
もちろんJR東海らしく「正式な」財産票もしっかり張られていることは言うまでもない
モチーフは鬼
ホームに降り、構内踏切を渡ると駅舎前で待っているのは
チェーンソーを持った鬼。凶器を持った鬼に「WELCOME」と言われても、となるが
傍らに解説がある。この鬼はオニスターという町のゆるキャラ
駅前の観光案内図を見ると、鬼は木を切るだけでなく、山に登ったり温泉に入ったりと大忙しである。鬼は地域に伝わる花祭で鬼の舞を行う重要な役割を担う。花祭は奥三河の重要行事で各地で11月から1月にかけ各地で開催。また東栄町はチェーンソーアートでも知られ、駅にチェーンソーを持った鬼がいるわけである
こちらは駅舎内のカフェ入口。駅前には民家以外、これといったものはないが、町の中心部まではコミュニティバスが運行されていて、このバスは豊根村まで運行されている。豊根村といえば、飯田線では静岡県にあるのに愛知県の村の入口として有名な大嵐駅があるが、豊根村は旧豊根村、旧富山村と2つの村域に分かれていて、旧豊根村は東栄駅が、旧富山村は大嵐駅がそれぞれの最寄りとなっている
かつての貨物用線路が今も残る当駅の1日あたりの乗降客数は108人(2022年)となっている
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