※訪問は2024年10月27日

青空フリーパスを手に

朝の飯田駅。路線内では貴重な光る駅名標がまぶしい。そして手にあるのは

正確に数えてはいないが、当ブログではおそらく青春18きっぷの次に利用頻度が高い青空フリーパス。今日は飯田から豊橋まで徐々に南下して帰路に着くので心強い味方。飯田から豊橋までの運賃は2640円(なかなか絶妙な料金設定だ)なので、どこかで1駅でも後戻りすれば、元はとれる。そもそも豊橋から名古屋までは在来線に乗車して名古屋から新幹線に乗るつもりなので、その時点で元はとっていることになる

本当は飯田駅で買ってあげたかったが、窓口の休憩時間などがあるかどうかも分からなかったので念のために前日の新幹線からしなのへの乗り換えの際、名古屋駅で買っておいた(結論としては飯田駅の窓口はずっと開いているようだった)

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時刻表の小文字に注目

単色の案内表示が新鮮に見える朝7時前の飯田駅。7時5分の豊橋行きに乗る。当然だが豊橋に直行するわけではない。この列車の豊橋着は11時16分で4時間という鈍行旅。1時間も同じ乗り物に乗ると飽きてしまう私には無理。目指すは鉄オタ界隈では新幹線の駅並みに著名な田本である。ただ案内表示には赤文字で「停車しません」と流れている

文字が小さくて分かりにくいかもしれないが、時刻表には何やら書き込みがある。当該列車には※印が打たれていて、いくつかの駅を通過する旨が下にあり、その中には当然のように田本もある。「各駅停車」はすべての駅に停車するものだが「普通」は通過駅も存在する。つまり、この列車に乗っても田本は通過してしまうのだが、方法はあり、ひとつ向こうの温田まで行って引き返すと比較的簡単に田本まで行ける。もっともこのような方法で「簡単に」田本に行くのは同業者(鉄道ファン)しかいないだろうけど

貸切列車で向かうと…読めません

ということで約1時間かけてまずは温田へと向かう

日曜の朝7時とあって、私が乗った車両は見事に貸切だった

飯田や駒ヶ根、そして豊橋近辺など生活圏の電車という側面と全くの山中を走る秘境列車という2つの側面を持つ飯田線だが、飯田市の郊外を過ぎるとすっかり山中の鉄道となった。そして

温田に到着。当駅では列車交換の待ち合わせがあり、8時1分に到着した豊橋行きがしばらく停車。飯田行きを待ち受け、すれ違いをした後にまた別れていく。飯田行きの発車は8時8分なので、少しだけ時間がある

渋い木造駅舎が残る。1935年(昭和10)に三信鉄道によって設置された。飯田線の元の形が複数の私鉄なのは有名だが、辰野から天竜峡までを伊那電気鉄道が、豊橋から三河川合までを豊川鉄道と鳳来寺鉄道が敷設。そしてその間を結んだのが三信鉄道である。三河と信州を結ぶので1文字ずつとって鉄道名とした。つまり静岡県も含む県境の山深い部分を担ったため、飯田線の「有名駅」は、ほとんどが三信鉄道が開業させた駅である。駅舎は戦後に改築されたもののようだ

そしてサムネの写真を改めて掲載する

駅名は「ほ~」という感じがするが、自治体名にはルビがない。「やすおか」村と読む

そして、ここ温田は村役場ともうひとつ、天竜川の向こうとなる阿南町の玄関口としても機能している

駅の場所が泰阜村のかなり南の方にあるため、JRの駅としては門島の方が近いが、道路事情などから温田駅が2つの自治体の玄関口となっている。病院や学校は徒歩圏内。特急「伊那路」停車駅で2022年の1日あたりの乗降客数は302人と付近の駅と比べるとかなり多い。上下列車が同時刻発車ということもあって、駅にはかなりのお客さんがいた

駅からの天竜川の眺め

上下列車が格好良く並んだところで、いよいよ田本に向けて出発しよう

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