東北本線

宿もとらずに鈍行に揺られ飽きたら終わりの北海道&東日本パス旅~その22(古風すぎる空港駅)

花巻空港駅の改札

※訪問は2024年7月6日

最初から決めていた道程

一昨年秋以来出会った釜石駅前の「鉄と魚とラグビーの街」の文字を見て花巻に戻る。滞在はわずか30分ほど

みどりの窓口も設置されている釜石駅だが、列車の本数はわずかにこれだけ。快速を除くと1日に8本の列車しかないため、限られた時間内で途中駅ウロウロというのはなかなか困難。本当は陸中大橋駅ぐらいは行きたかったが、今回はやむを得ない。花巻へと戻る

花巻駅で何か食べるのもありだったが、猛烈に暑くて食欲も出ない。売店でサンドイッチを買って、これが本日の昼食である。旅を始めてから連日のようにテレビで報じられていた東京の暑さが、北の地にもやって来たようで、この日の最高気温は30度を軽く超えるという。今日は帰る日なので、ある意味助かった

まだ時間があるため東北本線をちょっとウロウロして

花巻空港駅に到着。こちらについては5月に航空券を購入した時から決まっていた道程だった。まだ利用したことのない花巻空港へ空港アクセス駅から向かおう

ちょっと違和感の「空港アクセス駅」

花巻のお隣の花巻空港駅

複数パターンの駅名標が出迎えをしてくれる

空港アクセス駅だけあって、なかなか彩り鮮やか

だが駅舎を眺めると

実にクラシックな駅舎のお出迎え。空港アクセス駅というと近代的なコンクリート製を思い浮かべてしまう。近年、鉄道で空港にそのままアクセスが流行りとなったので、その印象がより強いが、こちらは開業時の1932年(昭和7)からの木造駅舎

駅はこの春から無人化され、券売機も撤去。ICリーダーだけが設置されている。戦前に空港駅があったのかも含め、違和感はある

違和感を解くカギは駅前ロータリーの石碑にある

「二枚橋駅開設50周年」とある

その隣には「花巻空港駅開業60周年」の石碑が並んでいる

駅の所在地は「花巻市二枚橋」。石碑で分かる通り、元々は二枚橋という駅だった

改名25年で本当のアクセス駅に

駅前のタクシー会社も二枚橋タクシー

大正期に設置された信号場が昇格した。もちろん当時、花巻空港はない。空港の開港は1964年。駅名にも変化はなかったが、JRとなった1988年に転機が訪れる。空港への近さから空港アクセス駅のような駅名へと改名されたのだ

とはいえ空港までの距離は2キロ。そして路線バスはあることはあったが本数は少なかった。2キロといえば徒歩30分ぐらいだが、空港へ手ぶらで向かう人はあまりいない。スマホで調べることなどできなかった時代。知らずに降りた人はタクシーで向かうしか手段はなかった。さらにその後、空港ターミナルビルが駅から遠い方に移転して距離約4キロとなった

駅舎内の地図には「距離4キロ 徒歩40分」とあるが

なかなか40分ではたどり着かないようだ。空港へは盛岡駅または花巻駅からの路線バスがアクセス手段とされ、単なるタクシー乗り場だった時代が長らく続いた(とはいえ、現行のタクシー料金も花巻空港HPによると花巻駅から1900円、花巻空港駅から1400円とそう大きくは変わらない)

転機が訪れたのは2013年のこと。花巻駅~空港のバス路線が廃止され、代わりに盛岡~空港のバスが当駅を通ることになった。現行の花巻空港への路線バスは当該便と北上駅からの2路線のみ。ただし後者の運行本数は多くはなく、また盛岡駅~空港のバス運賃が1500円なのに対して花巻空港駅~空港は320円と安く利用者の財布にも優しい。改名25年で本当の意味での空港アクセス駅となったのだ

私も多くの乗客とともに空港へ移動。無事、伊丹空港行きの飛行機で帰ることができた

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宿もとらずに鈍行に揺られ飽きたら終わりの北海道&東日本パス旅~その11(北上から三セクの盛岡へ)

北上駅の駅名標

※訪問は2024年7月3、4日

宿泊地は北上

一ノ関から予約サイトとにらめっこしながら北上。本日の宿泊地はあっさり北上に決まった(北上して北上泊とか別にシャレではありません。偶然です)。こういうのは実際に現地を訪れてみないと分からないが、盛岡をのぞくとホテルの数は圧倒的に北上が多く、ホテルチェーンが続々と進出していることはサイトで一目瞭然。これはその後に知ったことで、過去2度、北上で下車したものの素通りばかりだった私は恥ずかしながら全く無知だったのだが、北上には東北新幹線のほか、東北自動車道、秋田自動車道が入っていて流通の拠点となっていて、多くの工場が進出している。ビジネス出張も多いのだろう。そこに宿泊するかどうかは別として、私の体験では多くのホテルチェーンが進出している地区は、食事やコンビニの有無も含め、まず間違いない。結局はあるチェーンのホテルを予約したが、5500円と盛岡より安価に宿泊できた

北上を選んだもうひとつの理由は列車の本数。一ノ関から盛岡を目指すと北上までは昼間は1時間に1本だが、北上からは当駅始発着の列車が加わり2本態勢となる。途中に花巻を含む距離にして48キロ、所要時間50分のこの区間は盛岡への通勤通学エリアと認識されているようだ

魚と日本酒で疲れを癒やすこの瞬間は最高だ

北上駅は1890年(明治23)と130年以上の歴史を有する。開業時は当時の町名に基づいて「黒沢尻駅」。1954年(昭和29)に付近の自治体が集まり北上市が発足したのに伴い駅名も変更となった。国鉄コンクリート式の駅舎が健在

もっとも黒沢尻が北上の中心であることには変わりはなく、住居表示のほか、施設名や学校名にも黒沢尻の名は残る。高校ラグビーの名門、黒沢尻工は有名だ

街中を歩いているとこのように説明文が残っていた。地名の由来は「クロサワジリ(畔沢尻)」から来ていて草の密生した湿地だったという。「黒沢」については「黒土の沢」「水が淀んだ湿地の沢」を意味するとされる

ラッシュ時とかぶる

翌朝はホテル出発が7時すぎと前日から1時間以上遅くなってしまった。それほど飲んだわけではないが、2日続けて5時台の出発となっていて、さすがに身体が動かなかった。事前に予定を決めている旅なら、設定は早い時間にしがちで、それに従って行動するだけだが、逆に言うと、朝も適当にというのは、こんなケセラセラ旅の良さである

とはいえ7時台には駅にいるので、それほどの寝坊ではないが、時間帯が悪すぎた

電車が着くと北上駅のホームは乗降客でいっぱい。私の選択も悪く、北上発7時23分、盛岡着8時18分という最も混雑しそうな時間帯の電車で、なおかつ北上始発ではないため、ドッと降りる人、乗る人が多過ぎて出発は数分遅れた(盛岡には定刻に着いたので、おそらく混雑込みのダイヤだと思われる)。途中、花巻を通るため、ここでも出入りは激しく、その他私が認識できていない学校最寄り駅もあるようで、単に満員というだけでなく、駅に着く度に人の動きが激しい電車で座れることなく過ごしたため、かなりの疲労度だった。とにもかくにも盛岡到着である。ここからIGRいわて銀河鉄道に乗り換え、三セク区間に入る

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宿もとらずに鈍行に揺られ飽きたら終わりの北海道&東日本パス旅~その10(仙台は素早くパスして北上)

一ノ関駅の駅名標

※訪問は2024年7月3日

18きっぷシーズンと被らぬように

今夏は発売がないのではないか?という声すら出るほど発表がギリギリだった北海道&東日本パス。私なんぞは5月のタイムセールで早々に飛行機のチケットを買っていたので、最悪は大幅な手数料を支払っても飛行機をキャンセルしなければならないのか、とやきもきさせられた口だ。6月もかなり経ってから発売が発表された時はホッとした。飛行機も例年の利用期間の初日である7月1日にとっていたのだが、なんで初日スタートにしたかというと基本的には青春18きっぷの季節とかぶらないようにしたかったから。この北海道&東日本パスはJR区間で一人で乗る分には18きっぷと同じルールだが、有効期間が長いのが特徴のひとつである。有効期間といっても期間内のどこでも5回と、乗車したらその日から強制的に1週間では事情が違うが、できれば18きっぷの利用者と被らない方が、少しでも混雑を避けられるだろう。何より7月に入ったばかりで、まだホテルの稼働にも余裕がありそうな時期だ

鹿島駅から1時間15分。仙台に到着。いつのまにか東北本線に入っている。つまり普通だけで常磐線の約340キロを完乗した。鹿島のいわき寄りに一駅の原ノ町から出る普通列車はすべて仙台行き。日暮里からの常磐線は岩沼が帳簿上の終点だが、列車はすべて仙台まで直通する。岩沼から仙台までは20分で完全に仙台都市圏内だ。東北本線と合流する岩沼以北は運行本数も都市圏のもので昼間も常磐線の1時間に1本、東北本線の1時間に2本と、ほぼ20分に1本の運行で朝夕は両路線の列車が増える上に岩沼折り返しの列車が加わる。また名取からは仙台空港アクセス線も加わるので多くの電車が運行される

仙台ではランチのみ

早朝からコンビニおにぎりのみだったので、仙台駅構内の立ち食いそばでカレーそば。カレーなんで白いご飯を注文しようと思ったら自動的に付随してきた。この記事を書いている今の季節だったらカレーはちょっと…となったかもしれないが、この時期の東北地方は、テレビをつけると東京の猛暑ぶりを報道していたものの、まだそこまででもなかった。普通におかずと白飯として食べようと思ったら周囲の人々はそばを平らげた後、雑炊のようにして食べている。私も半分ほどは白飯として食した後、カレー雑炊に。なかなか満足

腹が満たされたら即北上である。そもそもあまり仙台で泊まりたくなかった。仙台が嫌いというわけではなく、過去何度も、まさに「美味しい」思いをしている。ただ少し前にホテル事情の記事を書いたが、仙台のホテルはやはり高い。午前中のうちに福島県を抜けられたので少しでも北へと向かおう

一ノ関は3月に泊まった

乗車電車は45分かけて小牛田止まり。というか東北本線を真っ直ぐ北へと向かうと昼間はほぼここで1度降ろされる。そして1時間に1本のダイヤに戻る

小牛田は石巻線、陸羽東線が交わり、気仙沼線も入ってくる鉄道の要衝駅。私も東北に来る度にここで乗り換えをしているため、本来はかなりの難読駅のはずだが、難読ではなくなってしまった

一ノ関行きに乗車。このあたりで本日の宿について真剣に考え始める。すでに13時半を回っている。このままだと14時半ごろに一ノ関へ到着するが、3月に泊まったばかりだし、時間的にはまだ北上できそう。明日は盛岡からIGRいわて銀河鉄道で北上の予定なので、盛岡泊が便利そうだが、予約サイトをチェックすると県庁所在地の盛岡はさすが結構な価格。となると盛岡の手前あたりがいいな、と思案しているうちに一ノ関到着。東北本線は必ず一ノ関で運行が分断されるので、こちらも強制下車となる

3月中旬に来て以来、3カ月半ぶりの一ノ関。そのころは雪が降っていてブルブル震えたが、当然ながら別世界。10分ほどで乗り継ぎ列車に乗車。ここはまだ宿泊したことのない北上か花巻で降りることとして後は予約サイトにかかりきりである

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JR東日本パス ファイナルを前に~秋を振り返るBRT乗車

柳津駅の駅名標

再び発売されたJR東日本パス

昨秋に発売されて反響大だった「鉄道開業150周年記念 JR東日本パス」が再び発売されました。利用期間は3月2日から15日までの2週間。2万2150円で新幹線や在来線特急も含むJR東日本全線と私鉄7社に3日間乗り放題(指定席は4回まで)と内容は同じ。「ファイナル」と銘打たれていることから、ここまでお得なきっぷは最後になると予想されます。今回は、おそらく青春18きっぷの季節にもなるので組み合わせ次第では、かなり有効に利用できると同時に混雑も予想されます

昨秋は2回にわたって利用。10月21日から3日間にかけての利用については、本ブログで年明けから報告させていただきましたが、なかなかマニアックすぎる内容になりました

今回からしばらくは10月14日からの1回目についてリポートさせていただきます。どちらかというと、きっぷの特性を生かした乗りつぶしに特化したものとなっているため、何かの参考にしていただければ、とも思います

2022年10月14日7時

仙台までは飛行機で

大阪空港から仙台空港まで飛行機利用で出発です。前日のうちに東京まで入ることも考えましたが、ホテル代を節約するため当日に飛行機で東北を目指すことにしました。最初はもっと北の花巻あたりも考えましたが、大阪空港からの運賃を見ると利用者が多くて競合もあるためか大阪~仙台は他の東北の空港と比べてかなり安価。ちょっと早めにとれば1万6000円程度と大阪~東京とあまり変わらない料金だということが分かって、これなら新幹線もしくは飛行機で東京まで行って前泊するより、ずっと経済的だということで仙台までの空路を選択しました。久しぶりに搭乗口までバス移動を経験して

仙台空港に到着。残念ながら仙台空港鉄道はエリア外のため別料金。仙台に向かいます

この移動には、ひとつ懸案事項があって仙台での乗り換えが10分しかない。東北のフリーきっぷを購入するため、以前はJR区間となる名取で下車して購入したこともありますが、今回はそのような余裕はありません。名取~仙台はもちろん料金を払うし、仙台で券売機が混雑していれば最初の下車駅までの別料金も覚悟していました。この乗り換えを逃すと、ここから先で大きく旅程が崩壊してしまいます

事前に仙台駅の構内図を入念に見て導線をチェック。さすがにどの券売機が穴場(すいている)なのかは知らないので改札に一番近い券売機に一目散。先客が1人いてヒヤヒヤしましたが何とか無事に発券しました

BRTに初乗車

目指すは気仙沼線の柳津でBRTに初乗車の予定

小牛田で東北本線から石巻線に乗り換え。わずか6分の乗り換えで1日3本しかない貴重な柳津直通に乗車します

その意味では仙台で無事にパスをゲットできて良かったです。小牛田の6分チャレンジでの発券もかなり肝を冷やしそうだし、そこで不発に終わると気仙沼まで窓口も券売機もないのでひょっとしたら…

分岐駅の前谷地で4分の停車。ここからもBRTに乗れますが前谷地~柳津は列車もBRTも走る区間でメインの出発駅は柳津です

JR西日本のキハ120系と並び、JR東日本のローカル線でお世話になるキハ100・110系

柳津に到着したのは11時21分。大阪空港から搭乗して4時間後でした

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