大平駅

不通区間の津軽線28・8キロ最後の訪問~ちょっぴり悲しいピカピカの施設

※訪問は2026年7月15日

写真だけだと分からないかも

巨大な壁を眺めた後、いよいよホームへと向かう

まさに花道と呼ぶにふさわしい通路を歩く。もちろん自然に帰る過程での花で、雪に閉ざされた季節が終わると夏に向けて一斉にエリアを広げ始める。小径と呼んだ方がふさわしそうな通路の先は、もうアスファルト部分が見えなくなりつつある。右手にレールがのぞいているが、これだけでは何のことか分からないかもしれない

振り返るとこのような景色が広がる。これで駅の構造が分かっていただけたと思う。新幹線の高架の下から飛び出てくるように津軽線の列車が入線していた。右にあるのが駅舎でホームと駅舎は随分と離れている

スポンサーリンク

13年で役割を終えた新しい建物

ホームに立つ。この部分だけ見ると、最初に訪問した大川平駅と比べ、まだ現役感が残っている。除草が行われているのかは分からないが、ホームに面した部分だけはレールがしっかり残っている

大平駅は1958年(昭和33)に、蟹田~三厩間が延伸された際に開業した。「おおだい」と読む。最初に訪問した大川平駅が「おおかわだい」で、何やらややこしく感じるが、ともに地名である。「八幡平」に代表されるように東北では「平」が多く使用される

ホームに隣接しているのは保線車用の車庫である

離れたところにある駅舎と全景を見ると、かつては島式ホームだったらしい。片側の保線車用の車庫の隣にはもうひとつ建物があって。こちらは真新しい

カーテンが見えているが

ここは保線にあたる方の休憩室だったようだ

財産票があり、休憩室であることが示され平成21年とある。つまりは2009年。津軽線と海峡線の分岐に近い当駅は無人駅ではあるが、保線の基地でもあったのか。ただし2022年の大雨で津軽線は不通となったため、13年しか使われなかったことになる。すでに役割を終えることは決まっているが、建物が新しいだけに、よけいに感傷的な気分になってしまう

きれいな駅舎内と案内

駅舎へと向かう。開業時からの昭和30年代らしいコンクリート製建物

駅舎内はきれいに清掃されていて駅ノートも置かれている。昨年、今年と休止の各駅を訪問したが、ホーム付近は自然に帰ろうとしているのに対し、施設内はどこもきれいである

大平駅は集落のやや外れに位置していて、集落の方面に向かうと大平山元遺跡がある。わんタクの停留所もある

駅から近く、このポスターは列車が来なくなる前からあったものだろう

ここから今度はわんタクに乗って再び今別町方面に向かうが、地図で分かる通り、バスは踏切を横切る。最初に訪問した大川平駅に蟹田駅から向かう最中そして大川平駅から大平駅に向かう際にも、必ず踏切を通る。そのあたりは郵便局もあって集落の中心地なのだが、当然ながらバスは踏切で一時停止を行う。列車は絶対に来ないので一時停止の必要はなさそうだが、形の上ではまだ現役の踏切だからなのか「一時停止の必要はありません」の文字はなく、一時停止する

あと半年もすれば、一時停止必要なしの看板が建てられるのだろうか。それとも単に踏切が撤去されるだけなのだろうか。1日に何度も一時停止を味わうと、こちらも感傷的な気持ちになった

↓2つクリックしていただけると励みになります

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

不通区間の津軽線28・8キロ最後の訪問~鉄道の三叉路を臨む駅

※訪問は2026年7月15日

グンと離れた場所へと移動

こちらは大川平駅に掲げられていた今別町の地図。これを見て今別町内ではローカル線らしくなく、短い間隔で駅が設置されていることに気づく。休止区間の各駅訪問の起点となる蟹田駅は外ヶ浜町、終点の三厩駅も外ヶ浜町で、自治体的には外ヶ浜町は飛び地の構成で、間に今別町が挟まった形になっているが、北海道新幹線の駅が併設の形となっている津軽二股からこまめに駅がある。それぞれの駅間は徒歩でも十分なぐらいだ

ただし今別町にある津軽二股駅から外ヶ浜町の大平駅までは駅間が長い

津軽線は列車が走っていないのでグーグル地図は代行バスまたはわんタクでの移動が表示されるが、バスで20分以上、距離にして10キロ以上の行程。津軽線の駅間も11・6キロで、もちろん津軽線内で最長の駅間距離である。それほどこの間には集落らしきものがない

ということで8時18分発の代行バスは8時39分に大平駅に到着した

スポンサーリンク

出会ったのは大きな壁

写真で分かる通り、こちらの停留所には「大平駅」の看板があるので駅はここからでもすぐに分かる場所にある。幹線となっている県道から奥まった場所にある駅が見える。ただし駅に近いためか、大川平駅にあったような待合所の建物はない

県道の突き当たりに駅舎が見えてきた

大きく高く成長した雑草に覆われた駅に来て、まず最初に目に入るのは、ホームなど駅の施設ではない

巨大な壁だ。ホームの逆側にそびえている

その背後に高架が見えるが、これは北海道新幹線。津軽線はここ大平駅の蟹田方面にある中小国信号場で海峡線と分岐し、その海峡線は大平駅の手前あたりで北海道新幹線に合流する。それらはJR北海道の施設となっていて、当然だが電化されている

中小国駅は昨年の同時期に訪問した。当駅も駅は残っているが、津軽線の列車は来ない廃駅対象の駅だが、JR北海道の海峡線の始発駅となっているため列車はやって来る。列車といっても企画列車でない限り貨物列車で、通過していくのみ。始発というのはあくまでも帳簿上のことだが、中小国駅は廃駅となっても線路、列車ともにこの後も残る。線路がなくなるのは中小国信号場から三厩の部分である

つまりこの近辺き中小国信号場と大平駅の間で海峡線が津軽線を離れて北海道新幹線に合流する場面と、残された津軽線が単独で三厩を目指す場面が行われる鉄道の三叉路なのだ。2022年8月の大雨による運休で津軽線の列車が来なくなったことにより三叉路のシーンは見られなくなり、そして来春、三叉路は正式になくなる

北海道新幹線の開業前、青森方面から津軽線に乗車すると青函トンネルとつながる電化区間は特急がバンバン走り、蟹田にも停車していた。蟹田から三厩を目指すと、急に我に返ったように非電化単線のローカル線をトコトコ走り始める落差感がいっぺんに好きになった。その感触は一部すらももう味わうことはできない

↓2つクリックしていただけると励みになります

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ

不通区間の津軽線28・8キロ最後の訪問~名残を惜しんで次の駅へ

※訪問は2026年7月15日

この景色は最後

あらためて大川平駅ホームからの景色。手前にかすかに見えるレールに気づかなければ、一体何の景色か分からないだろう。しばらくたたずんでいたい絶景だが、そろそろここを離れなければならない。今回巡るどの景色もそうだが、現役の鉄道駅という意味では、すべてが私にとっては最後のものとなる

スポンサーリンク

ちょっと気になるもの

駅を離れようとした時、ちょっと気になったものが2点ほど

道路と駅の敷地にある柵と小さな切れ目。切れ目というより、ここが入口だ。1958年(昭和33)から、当駅はずっと無人で、なおかつ旅客専用だったと思われるが、妙に気になるこの幅は、車の誤進入を防ぐためのものだろう。そして鉄道会社にとっては、ある意味便利で、廃線後は、この小さな切れ目にチェーンやロープを張るだけで事足りる。あくまで人だけを通れるようにするためのもので、まさか人を通せないようにするため都合の良い存在になろうとは、さすがに鉄道会社も想像だにしていなかったに違いない。少し悲しい

そしてもうひとつは駅を出たところにある電話ボックス。現在の日本では災害時対策として駅など「人が集まる」場所には公衆電話が置かれることになっているが、こちらの処遇はどうなるのだろう。おそらくというより、間違いなく利用者は現状ゼロだと思われる。大都会の公衆電話もおそらく利用状況は似たようなものだと思われるが、駅がなくなることによって、ここは「人が集まる」場所ではなくなる。そもそも列車が走っていた時ですら1日わずかに5往復。どのぐらいの人が集っていたのかは定かではないが、すっかり自然に戻りつつある駅のホームと同様、緑の襲撃を受けている

この記事を読んでおられる方のうち、果たしてどのぐらいの方が公衆電話を利用したことがあるかどうかとなると「1度もない」と答える方が、もはや多数を占めていると思う。1995年の阪神淡路大震災の時に公衆電話を求めて長蛇の列に並ぶ1人だった私には、やや寂しいことだが、かくいう私も震災の1年後に四国に転勤してからは、公衆電話を利用した記憶はない

荒馬の里

バスの停留所へと戻る

荒馬の里とある。昨年バスの車中からこの看板を初めて見た時、一体何のことだろうと思った。イラストに馬が描かれている。この地域では暴れ馬を飼育する伝統があるのかと思ったが、恥ずかしいほど全く間違っている

「荒馬」は「あらま」と読む。馬役の伝声と手綱をとる女性がペアとなって跳ね踊る今別町の伝統芸能で、田植えが終わった時に田んぼの神様に感謝する行事。毎年夏に盛大に行われる。地域ごとに跳ね方に違いがあり「今別荒馬」「大川平荒馬」「二股荒馬」の3つがあるという(ここまで調べて鉄オタの私はすべて駅名だと思ってしまった)。もともとの由来は騎馬や農耕馬にあるようだが、実際に馬は登場しない(なお今別町のHPによると資料館は施設老朽化のため、今年3月で閉館した)

プレハブの停留所の向こうには商店があった。この日はお世話になることはなかったが、ローカル線の旅ではしばしば地域り店舗のお世話になる。いつの間にかコンビニに慣れされてしまった身には貴重の場である

代行バスがやって来た。1年前と同じくワゴン車の2台運行である。私のほかにも地元の方が1人。次に目指すのは大平駅だ

↓2つクリックしていただけると励みになります

にほんブログ村 鉄道ブログへ

にほんブログ村 鉄道ブログ 駅・駅舎へ